古都の四季の風情を鮮やかに映し出す景勝の地
春の桜と秋の紅葉の対照は古来より訪づれる人々を魅了します。
建築地は嵐山にほど近く、桂川の流れと
周辺の景色を垣間見る風景は移りゆく季節の趣を感じます。
式台・框は遠い欧州から運ばれてきた石
さりげなく仕切る格子
柔らかい光を通す障子
収納する食器類の存在を際立たせない什器
墨を塗装した無垢床は床暖房を併用するために中央に琉球畳を
黒い杉板の落ち着きと、白の左官壁の濃淡は、床を座とする
日本の風習を自然体で受け止めます。
石の框と式台
古来より建物は石の上に建築されてきました。
最古の木造の飛鳥建築をはじめ
権力と財力の象徴の蒼天天守閣から一民衆の納屋住宅まで
石の大きさこそ違え石の上に建てられました。
時代は流れ、いつしかコンクリートが石に取って代わり
石は建物の土台という役割は少数となりました。
重量や加工の容易さなどからみて、石はどうしても重く
また簡単には形を変えられません。
しかしながら石以外ではどうしても表現できない部分には
今も建築材として活用されています。
ただ装飾材としてがほとんどですが。
この建築ではオーナーは、石は装飾のみならず
常に日常に有する材として、式台・框・ガレージ・外部に活用されている。 |