軸組の計算は筋交いで地震力・風圧力を満たします。更に杉板の斜め貼り材で地震の揺れに対抗します。
一般的には水平に張る外壁の下地板を斜め四五度に張ることで、下地板の杉板、一枚一枚が地震時にかかる水平力に
抵抗します。
また、地震の縦揺れ横揺れ時において、筋交いによる桁の突き上げ、柱の抜けを斜め材により抑える効果があります。
隙間は構造的な『遊び』であり、水平耐力を木の粘りを生かして、地震力を緩和します。 また密閉せず、
通気性を確保し、無垢材の耐久性により永く構造強度を保ちます。漆喰壁、 モルタル左官塗りや
ガルバリュウム鋼板、窯業系サイディングなど、いろいろな外壁の仕上げの下地材として使用できます。
工事費用は建物工事費用の約1~2パーセントくらいでしょうか。 高価な耐震、制震部材を使わずに、
日本の国のなかに多くある杉を使い、手間をかけてでも木の良さを生かした工法です。
構造用合板等により壁を密封し、建物の構造を硬くすることをではなく、多少の揺れを与えながらも粘り強く、
構造体を造ることを考えております。
耐力壁については、合板などの方が強いという考えもあります。しかし湿気の多い日本の気候風土では長い
スパンで数十年先のことを考える必要があります。 合板等の面材を貼った壁は壁内の湿気を逃がしにくいなどの
欠点があり、合板自体が湿気に弱い部材と考えます。数十年先の時点で必要な耐力が確保されるかどうかわかりません。
安易に現在時点で合板を貼り耐力を確保する・・・
これでは将来において耐力を保ち続けることはできません。住まう方に引渡しをされたときの性能ではなく、
永く耐久性を維持し続ける工法が建物には必要です。
鉄は自重の割りには、強度、粘りに強い優れた建築材料。広い空間を柱なしでスパン幅をとるのに適しています。
これによりより自由度のある間取りが可能です。柱の本数も少ない工法ですが、基礎梁(地中梁)も必要であり、
構造全体で木造に比較してコストが高くなります。
また鉄骨の粘り強さは建物自体の揺れでもありますので、変形に追従できる外壁材を選ぶ必要があります。